STUDY
りんごについて学ぶ

飯綱町で農業に触れる

りんご学校で学ぶことは、りんごの栽培方法だけではありません。農業全般に関する知識や、今の農業の現状を知ることができます。
農業は私たちの生活に深く関わっています。実際に農業に触れることで、私たちが普段食べている作物が、どこからどのようにやってくるのか、身をもって学ぶことができます。

飯綱町の農業について

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飯綱町は、標高が高く冷涼な土地であること、雨が少なく日照時間が長いことなどから、美味しい作物ができる土地として昔から農業が盛んでした。
また、「お米は水が命」とよくいわれるように、水を引く川が違うだけでお米の味が変わるくらい「水」が大事。飯綱町は北信五岳に囲まれ、その山々から伏流水から流れ込みます。
このように、飯綱町は、良い作物ができる条件が揃っている土地と、昔から農業で発展してきたことによる確立した技術があり、小規模ながら全国でもレベルが高い農業を行なっています。
飯綱町の農業について、少し深掘りしてお話ししたいと思います。

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畑には虫が少ない?

都会から、りんご学校の講習で畑に来た方がまず驚かれることは「畑には意外と虫が少ない」ということです。
飯綱町は山々に囲まれ、綺麗な川が流れ、自然が豊かで、もちろん虫はたくさんいます。そんな環境だから、畑にもたくさんの虫がいるだろうと思っていると、畑の虫の少なさに驚かれます。
なぜ虫がいないのかというと、農薬を使っているから。日本ではほとんどの農家が農薬を使用しています。

減農薬に取り組む飯綱町の農家

最近では、スーパーなどでもよく農薬不使用の作物が売られているのを目にします。飯綱町でも、減農薬に取り組む農家が増えています。
そもそも作物は農薬を使わなくてもつくることができます。ではなぜ日本では多くの農家が農薬を使っているのでしょうか。
農薬を減らすと、土づくりや、日頃の観察が必要になります。作物に合った健康な土づくりをするには、長年のノウハウや知識が不可欠です。また、病気になっていないか、虫がついていないかなど、丁寧に観察をしなければならないので、時間もかかります。うまく育たないリスクが上がり、コストもかかります。
小規模な農家や人材が十分な農家は減農薬に取り組むことができますが、ほとんどの農家ではできないのが現状です。

農業に触れることで「意識が変わる」

りんご学校で農業に触れることで一番大きな変化は何か、というと「意識が変わる」ということだと私たちは考えます。
農家もビジネスなので、作物が適正な価格で売れないと、コストを下げるしかありません。良い作物をつくっても、売れなければ続けていくことはできません。
消費者が、見た目が良くて、安い作物を求める限り、この状況は変わらないでしょう。
実際に農業に触れてみると、その難しさや楽しさがとてもよく分かります。消費者がスーパーなどで作物を買うまでに、どれだけの人が携わりどれだけの作業をしているのか、それを身をもって体験することで、意識が変わります。
りんごの栽培について学ぶことはもちろんですが、そういった消費者の意識の変化が、少しずつ農業をより良い方向へ変えていくことを願っています。