りんご栽培の1年
りんごは収穫までにたくさんの作業がある作物です。
春夏秋冬それぞれに大事な作業があり、りんご1個1個手作業で行います。手をかけた分、りんごが応えてくれると思い育てています。また、りんごの木は寿命が長く、30年、40年、長いものでは60年と実をならせることができます。
冬から春(1月中旬〜4月中旬)
剪定
木の形・樹勢を整え、どこからでも陽が入るように、余分な枝を切り落とします。剪定でりんごの出来が8割決まると言われるほど、とても大事で技術がいる作業です。
粗皮削り
幹の粗皮を削り、その下に潜む害虫やその卵を駆除したり、病気がないかを観察します。農薬を効きやすくさせるためでもあります。
春(4月下旬〜5月上旬)
受粉
りんごが実をつけるには、別の品種の花粉を付ける必要があります。人工授粉は人の手で異なる品種の花粉を1つ1つ中心花(雌しべ)に付ける作業です。
花摘み
1つの芽から咲く5つの花の、中心花を残し、側花を摘み取ります。長く伸びた枝の先端などは全て摘み取ります。
春から初夏
消毒
病害虫防除のためSS(スピードスプレイヤー)などを使用し、農薬を散布します。
除草
除草剤を使用しないため、草刈機を使用して草が伸びる度に刈ります。
施肥
土に足りない養分を補ったり、りんごの果実が大きくなり始める時期には、栄養がたくさん必要になるので追肥をします。
夏(5月中旬〜8月上旬)
摘花
まず摘花専用のハサミまたは手で、花摘みと同じ要領で1番(粗)摘果を行い、次に仕上げ摘果を行います。サビや形の悪い実を落とし、できる限り形が良い実を残します。多くならせすぎると実は小さくなり、翌年の花芽に影響するので、木、枝、葉の数に合わせた着果量に調整します。
晩夏から秋(8月中旬〜11月上旬)
葉摘み
収穫時期の早い早生種から順に、りんごに陽があたるように周りの葉を摘んでいきます。葉から果実に養分がいくため、摘みすぎないようします。
また、日差しの強い時間帯に摘むと、果皮が日焼けしてしまうので注意します。基本的には果皮が赤くなる品種のみ葉摘みを行うため、青リンゴと呼ばれる品種は葉摘みを行いません。
秋(8月下旬〜11月末)
収穫
8月下旬から順に早生種・中生種・晩生種の収穫が始まります。丸取りはせず、りんごのおしりの部分の地色が、黄色くなっているもの(熟度の目安)から収穫します。
選果
りんごの大きさ、傷、形、加工用など、細かく選び分け、それぞれコンテナに入れます。その後、随時出荷・発送します。
秋〜春(12月〜4月)
出荷・発送
各農家により異なりますが、箱やコンテナなどに入れて、個人、直売所、市場、インターネット販売、取引先などへ出荷・発送されます。冷蔵庫で保管したり、スマートフレッシュという方法も出てきており、より長期保存が可能になっています。
加工品
キズものを使用し、ジュースやジャムなどに加工します。最近は、りんごのお酒「シードル」やドライフルーツも増えてきています。