STUDY
りんごについて学ぶ

めずらしい品種ご紹介

りんごの品種は世界では約15000種、日本では約2000種類が栽培されています。飯綱町では、約50品種が栽培されています。他ではあまり目にしないりんごを楽しめるのは「りんごの町」ならでは。
飯綱町で栽培されているめずらしい品種の中から2品種をご紹介したいと思います。

ニュートンで有名「フラワー・オブ・ケント」

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「フラワー・オブ・ケント」と聞いてピンとこない方でも、かのアイザック・ニュートンが「万有引力の法則」を発見するきっかけになったとされているりんご、といえばお分かりになるのではないでしょうか。ニュートンは、家の庭で「フラワー・オブ・ケント」が木から落ちた時に、万有引力のヒントを得ました。余談ですが、この「フラワー・オブ・ケント」は収穫前に落果する性質が強い品種です。もしこれがあまり落果しない性質のりんごであったら、万有引力の発見は生まれなかったかもしれませんね。
「フラワー・オブ・ケント」は、イギリス原産で、日本のりんごのように全体が赤くなるのではなく、青っぽい実にまだらに赤い縞が入ります。味はというと、酸味が強いのでそのまま生で、というよりは、調理用のりんごして多く使われます。

幻のりんご「高坂りんご」

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「高坂りんご」は西洋りんごが日本に入ってくる前、約1000年ほどにわたって日本で親しまれてきた和りんごで、現在ではほぼ絶滅に近い品種です。
現在、長野県飯綱町でしか栽培されておらず、幻のりんごとも呼ばれるとても貴重な品種です。また、飯綱町の天然記念物に指定されています。
大きさは、ピンポン玉ほどの40〜50mmと小さめで可愛らしく、味は、そのまま食べると酸味と渋みが強く感じられるのが特徴です。

「高坂りんご」を美味しく食べたい

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「高坂りんご」は渋みが強く、そのまま生で食べてもあまり美味しさは感じられません。そこでまず考えたのはジャムにするという方法。しかし、これも渋みが強く出てしまい成功には至りませんでした。
そんな時、飯綱町にある有名なワイナリー「サンクゼール(St. Cousair)」さんにご協力いただき、シードルというりんごのお酒を作りました。これがとても美味しく、今でも大人気のシードルが出来上がりました。生のままでは単なる渋みですが、お酒になっていく過程でそれが深みになり、味に奥行きが出ます。そのため、味に深みがある美味しいシードルになるというわけです。
さらに、最近のデータにより、「高坂りんご」にはポリフェノールの一種であるプロシアニジンが多く含まれていることが分かりました。プロシアニジンは、抗酸化作用が高く、美白(シミ・シワ予防)、育毛、アンチエイジングなどの美容効果があるとされています。通常の西洋りんごは、このプロシアニジンが約40mg含まれているのに対し、「高坂りんご」は、なんとその10倍もの量が含まれているというデータが出ました。
飯綱町では、長い歴史で親しまれてきた「高坂りんご」を絶やさないよう、農家さんや企画・開発者などと協力しながら大切に育てています。