みんなの声
参加者の声
「大人の遠足気分」でまずは参加してみて欲しい
佐藤宏一さん(神奈川県から)
佐藤宏一さんは、りんご学校が始まった2017年度から受講する一期生です。5年目を迎えた2021年、ついに飯綱町へ移住し、りんご学校担当の地域おこし協力隊として着任しました。受講生としての立場はそのままに、2021年度からは運営側としても飯綱町に関わってくれています。
—飯綱町との付き合いも長くなりましたね。神奈川県にお住まいだった佐藤さんが、りんご学校に参加することになったきっかけを教えてください。
最初にりんご学校のことを知ったのは新聞広告でした。もともと、神奈川の自宅のベランダで野菜や柑橘類などを育てていたんです。とくに果樹の栽培には感心があり、りんご学校に参加する2年程前からは、ベランダでりんごも育て始めていました。最初は、りんごが温暖な神奈川でできるのか研究的興味からでした。そんな私の姿を見ていたからか、ある時、妻がりんご学校の新聞広告を見て、「行ってみたら?」と勧めてくれたんです。
—りんご学校の最初の印象はいかがでしたか?
1 年目は飯綱町という地名も知らなかったので、毎回新鮮な気持ちで参加していました。当時は、東京に飯綱町の人たちが出向いて講義をしてくれていましたから、飯綱町から来る「季節の便り」のようなところがあって、座学がある日はそれを楽しみに仕事をしていました。
何より、年2回の「現地研修」が楽しみでしたね。「大人の遠足」のような気分で、わくわくしながら参加していました。全く知らない土地でしたし、周りも知らない人たちばかり。ミステリーツアーのようで、とても楽しかったことを覚えています。
一方で、入門編に参加して、もっと圃場が見たい、もっとりんごの木や土を触ってみたいという気持ちが強くなりました。もともと「プロの農家の技術を学びたい」という気持ちが強く、知りたいことがたくさんあったのですが、入門編ではりんご栽培の入口を学ぶところまで。なので、中級編が用意されていることを聞いたときはうれしかったですね。
2017年度(1期生)入門編の座学の様子。東京を会場に実施していた
—入門編に参加して、さらにりんごへの興味を強くされたんですね。佐藤さんは中級編、上級編、さらにはOB編へとステップアップしていくことになりますが、実際体験されてみていかがでしたか?
中級編でようやく1年を通じてりんごの木に触らせてもらえるようになり、これまで以上に楽しさが増しました。現地で会う他の受講生たちと一緒に作業できることも、楽しみのひとつでしたね。実際に体験しないと分からないこともたくさんありました。例えば、脚立を立てて木の一番上まで登ると結構怖いんですよ(笑)。
最初は実の触り方も分からないような状態でしたが、季節ごとの作業手順をきちんと教えてもらえますし、上級編へと上がっていくにつれ自分の裁量でやれることが増え、さらにスキルアップしたくもなりました。知識がつくにつれ、「助っ人クラブ」(※)の「助っ人」としても登録させてもらい、りんご学校以外の日も飯綱町に来て作業していました。草刈りカートに乗ったり、ほんの少しですがSS(スピードスプレイヤー)を運転したり、都会の生活では絶対にできなかったことを体験できていると感じています。
受講生皆で圃場に看板も設置
(※)飯綱町ふるさと振興公社が行っている援農事業。「助っ人」と呼ばれる人材が、人手が足りない飯綱町内のりんご農家や公社が借り受けている圃場に派遣され、りんご栽培の作業を有償で手伝うというもの。
—中級編、上級編になると、年に5回ほど、飯綱町を訪問することになります。移動や金銭面で負担に思うことはありませんでしたか?
中級編に上がった時、飯綱町に初めて車で来たのですが「さすがに遠いな」とは感じました(笑)。新幹線でも3時間ほど。ただ、移動がものすごく苦痛というわけでもなかったです。地理的に長野市にも近いので、交通の利便性も悪くはありません。何度も通っていると交通費は若干気にはなりはしますが、好奇心の方が勝るので来ちゃうんですよね。
りんご学校でしか会えない人と話ができる楽しみもあります。なので、やっぱりオンラインだけではなくて、現地でやりたいですよね。
摘果作業中の佐藤さん
—りんご学校に参加して、一番印象に残っていることは何ですか?
やっぱり「収穫」ですね。普段買ってくるりんごとの違いを、本当に実感できると思います。中級編以上になると、自分で世話をしてきたという充実感もありますし、嬉しさもひとしおです。
収穫したりんご。この年は葉摘みの強度で味が変わるのかの実験も行った
—そしていよいよ、2021年、2拠点居住という形で移住までされましたよね。
会社を定年退職したことをきっかけに、2021年度から今度は運営側としてりんご学校に関わることになりました。1期生として参加してきたりんご学校に、さらに深く関われることをとても嬉しく思っています。これまでになかった新しい企画もいろいろと進行中です。
—最後に、りんご学校に参加したいと思っている人へメッセージをお願いします!
果樹栽培について全く知識がない方も、少し知識がある人も、「大人の遠足気分」でまずは参加してみて欲しいです。畑で食べたりんごの味は、忘れられないと思いますよ!