皆さんはお祭りといえばどんな場面を想像しますか?
神社でお囃子の聞こえる中、屋台を見て回ったり、お神輿を担いだり、、そんなお祭りが一般的なのかなと思います。
飯綱町に来て間もないある日、役場に用事があって行くと、「明日お祭りがあるよ」と教えてもらいました。
▲滞在中、何度もお世話になった飯綱町役場。皆さんとても親切に、色々なことを教えてくれました。
お祭りといえば、その地域を体験する上での醍醐味!
ぜひ行きたい!
「どこでやるんですか?」
「うーん、明確には言えないんだけど、、このあたり??」
と地図を見せてもらいましたが、土地勘がないので全くピンと来ません。笑
一般的な、神社で行われるようなお祭りではないようです。
「駐車場はありますか?」
「いやぁ、近くにはないねえ」
車で行けないとしたら、どうやって行けばいいんだ、、、
※飯綱町での移動手段は基本的に車です。車がなければ買い物もままなりません。
外から来た人間が参加するようなお祭りではなく、町の、町による、町の人のためのお祭りなので、インターネットなぞを見ても情報は全くありません。
途方に暮れて、半分諦めながらも、他の方にもそのお祭りのことを聞いてみました。
なるほど、、、
しかし、普通の観客として見に行くことがないということは、、、つまりどういうことなのだろう??
まだよくイメージが湧きません。
また別の方に聞いてみました。
この方は、別の地域から来る学生さんをこの日に案内する予定だったそうで、そこに便乗させてもらうことになりました。
ありがたや~!
そして、無事に近くの駐車スペースも教えていただくことができました。
え、さらっと書いてあったけど、朝4時に終演??
どんなお祭りですか!!
町を上げての一大イベント
集合場所に行ってみると、そこは真っ暗。お祭りの気配は全くありません。
少し歩いてたどり着いたのは、普通の民家の前。
そこが会場だそうです。
どういうこと???
しばらく待っていると、遠くから、お囃子の音らしきものが聞こえてきました。
暗闇に目を凝らしてみると、だんだんお神輿のようなものが近づいて来るのが分かりました。
日本昔話のような雰囲気に、私も子どもたちもドキドキ。。。
一体何が始まるんだろう!
お祭りの法被を来た大人や子どもがお神輿を引っ張り、お囃子を演奏しながら、民家の前に停まりました。
そしておもむろに登場したのは、獅子舞。
民家の前に作られていたスペースで、踊りだしました。
ゆったりとした動きから始まり、だんだんとキレッキレの動きになっていきます。
後ろでは、男性陣によるお囃子と掛け声で、どんどん獅子舞もノリノリに。
そして、雰囲気が最高潮に達した時、信じられないことが起こりました。
▲動きが激しすぎるため、全てがブレブレです。
なんと獅子舞が、今をときめく「USA」を踊り出したのです!
USAを踊る獅子舞。そしてお囃子隊のみなさん。
子どもたちの目がキラキラして、夜遅くにも関わらず、全力のUSAをみんなで踊ります。
日本昔話、どこ行った。笑
踊り終わると獅子舞さんは、礼儀正しく正座で一礼をし、お囃子・お神輿とともに、次の場所へ移動をはじめました。
▲次の民家でもキレキレの踊りを披露する獅子舞さん
なるほど、やっと理解ができました。
神社のように公共の場所でみんなが集まって行うお祭りではなく、家々を1軒1軒回っていく、そんなお祭りのようです。
あとで聞いてみたところによると、全軒を回るわけではなく、
- 赤ちゃんが産まれたお家
- 新築のお家
- 班長さんのお家
こういった家々を、回っていくお祭りのようです。
子連れの我が家は、最初のさわりの部分しかいられませんでしたが、朝方までお祭りは続き、一晩かけて町と人々の繁栄を願います。
今回はある一地域だけを見たのですが、どうやらこの日は町中のあちらこちらで、同時多発できにお祭りを行う日のようで、途中には大きな花火も上がりました。
まさに町を挙げてのお祭り。
とてもユニークで面白いのですが、観光用に開かれているわけではなく、外から人が見に来ることはほとんどありません。
冒頭にも書きましたが、町の、町による、町の人のためのお祭りであり、準備はとても大変そうですが、当事者として参加している方たちが本当に楽しそうでした。
もっと外の人にも知られればいいのになぁと思う反面、今のように町の中だけで楽しむお祭りの独特な雰囲気がずっと続いて欲しいとも思います。
来年は獅子舞さんは、何を踊るのかなぁ。。