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ホーム読む移住者インタビューヤズディ ラッド ナーデさん・カズコさん「まるで、ここに住みなさいと言われているようにすべてが順調に進み、わずか3か月で移住しました」
ヤズディ ラッド ナーデさん・カズコさん「まるで、ここに住みなさいと言われているようにすべてが順調に進み、わずか3か月で移住しました」

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2023年10月、イラン出身のヤズディ ラッド ナーデさん(56)と妻のカズコさん(56)は、群馬県大泉町から飯綱町小玉地区に移住してきました。

ヤズディさんご夫婦の家は、目の前に田んぼが広がり周囲にはさえぎるものがないので、庭から志賀高原の山並みを一望できます。「僕の机からの眺めも最高ですよ」とナーデさんが案内してくれたのは書斎。西の窓からは大きくそびえる飯縄山が窓いっぱいに広がっていました。「自然の中に住んでいると、人間は気持ちも体質も変わってくるように思います。飯綱町での生活は、ストレスがなくてとても快適です」(ナーデさん)

 

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妻のカズコさんは東京都小平市出身。ナーデさんとの出会いは埼玉県に住んでいたときでした。「聖書の言葉が気になって調べ始め、教会の勉強会に通っていたんです。そこで彼に出会って、生き方、考え方、想い、さまざまなことを話し合う中で、彼の考え方が“私と同じだ”と感じたんです」(カズコさん)

仲良しのお二人は「カズコちゃん」「ナーデジャン」と呼び合います。ちなみにナーデジャンのジャンは、日本語の“~ちゃん”と同じ意味なのだとか。日本語のちゃんとペルシャ語のジャン、なんだか似ていて親近感が沸きますね。

 

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ナーデさんは、イラン革命(1978~1979年)をきっかけに、23歳のときに来日。イランにいた年月よりも日本の方が長くなりました。「ペルシャ語より日本語の方が得意で英語はしゃべれない」と笑う、おしゃべりが大好きな楽しい方です。趣味は家庭菜園で、群馬県に住んでいたときは、自宅から車で1時間半ほどかけて週末ごとに畑まで通っていたそう。畑では、キュウリ、ナス、トマト、ニンジン、などなどいろいろな野菜を育てていました。「夏場はほぼ野菜を自給できるくらい作っていました。特にトウモロコシはおいしくて、友だちに分けるととても喜ばれたんですよ」(ナーデさん)。もう少し畑に近い場所に引っ越そうと、群馬県内で物件を探しましたが、なかなか見つからなかったそうです。

そんな中、戸隠が大好きだったお二人は、長野県でも物件を見てみようと思い立ちます。「戸隠奥社の参道を歩いていると特別なパワーを感じます。腰を痛めて、一時は車いす生活をしていたこともあるのですが、奥社に行くと“まるで後ろから誰かが支えてくれるように”歩けたんです。それ以降、戸隠が大好きで年に数回遊びに来ていました」(ナーデさん)

 

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戸隠からの帰りがけに飯綱町に立ち寄り、直売所でお米を買いながら「この辺に住めたら最高だね」などと話していたそうです。昨年8月、軽い気持ちで飯綱町役場に移住の相談をしてみると、「物件をお探しならここに連絡してみてください」と、不動産関係の業者が5件ほど書かれたパンフレットを渡されました。

ナーデさんが「ここに電話してみよう」と何気なく指したのは、リストの先頭ではなく何番目かに記載のあった北部建設。「電話をすると、とても丁寧な対応で、いくつか物件も一緒にまわって案内してくれました。その日は、また良い物件が出たらご連絡くださいとあいさつして帰ってきました」(カズコさん)。すると、なんとその3日後に「良い物件が出たから明日にでも見に来てほしい」と連絡があったそうです。「急に明日と言われても片道3時間半はかかるので、少し迷いました。でも、私はドライブが好きだし、せっかくだから行ってみようかと。そして、案内されたのがこの家だったんです。一目で気に入ってしまいました」(ナーデさん)

 

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状態が良かったこと。景色と場所がいいこと。二人のラッキーナンバーを並べた縁起のいい番地だったこと。「すべてそろっていたので、ここなら絶対にうまくいくと確信しました」とカズコさん。「群馬で数年かけて見つからなかったのに、飯綱町でたった4日で出会えるなんて、縁というしかないですね」とナーデさん。移住者に人気のある飯綱町では、いい物件があるとすぐに決まってしまうので、思い切って即決したそうです。

 

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2階建て8DKの家は、もともとおばあさんが暮らしていて、キッチンやバスタブなど、水回りはきれいに改修されていました。「脱衣所のフロア、サッシ、使われていなかった2階の壁紙など、リフォームしたのは数か所だけ。それでも町の移住定住促進中古住宅等購入費補助金、移住定住応援リフォーム補助金が使えてありがたかったです」(カズコさん)。

群馬の家も、理想的なタイミングで引っ越しができて、「目の前に道が拓けていくように順調でした。こういうことを、呼ばれているというのだなと(笑)」(ナーデさん)。

 

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近隣の方は、外国人ということで、言葉が通じるのかなどと心配もあったようです。しかし、お正月の公民館の集まりに参加して皆さんの前であいさつしたときに、ヤズディさんはこう感じたと言います。

「話していくうちに、皆さんが受け入れてくださっているのがわかりました。近隣の方も私たちも、不安から安心へと気持ちが変わっていきました」

今では皆さん、「いい人たちが来てくれた」と喜んでくれているそうです。

元家主のおばあさんからは、使用していた家具などを譲り受けました。その方の娘さん、息子さんと直接会った際に「これからも大切に使います」と伝えると、娘さんから話を聞いて、おばあさんも喜んでくれたということです。神棚には、飯綱町とのご縁を結んでくれた戸隠神社のお札を納めています。

8月に役場を訪れて、家が決まって引っ越してきたのが10月というスピード移住だったので、仕事探しはこちらに来てからでした。カズコさんは近くの直売所で、ナーデさんは町外のイチゴ栽培を手掛ける会社で働いています。「配達の途中、斑尾山、飯縄山、戸隠山、黒姫山、妙高山の北信五岳がきれいに見えるところがあって、本当に最高なんだよ」とナーデさん。

 

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家のことが落ち着いたので、これからは、趣味の野菜作りを庭で始めてみようか、イランの物産品をどこかで販売してみようかなど、少しずつ考えていきたいと話していました。

「町の情報がもっと知りたいですね。近くに桜の名所はありますか?これから暖かくなれば、外で作業する人と話す機会も増えるかなと楽しみです。この町はいい人ばかりですね」(ナーデさん)。

関東地方では梅、桃、桜と順番に咲く春の花々ですが、雪国の飯綱町では、待ち望んだ春を我先にと競うように、期間を凝縮して花々が一気に咲き誇ります。移住してきた方々が口をそろえるのは、「縁がつながって」「導かれるようにトントン拍子に」という言葉。まさにヤズディさんご夫婦も同じです。これだと思った直感を素直に信じてたどり着いた先が、ここ飯綱町であるのは、とてもうれしいですね。

 

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