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ホーム読む移住者インタビュー三浦秀一さん(会社員)
三浦秀一さん(会社員)

景色とワイン造りに適した土地に惹かれ地元企業に就職しました。

飯綱町の景観はとても美しいと思います。サンクゼールの丘からの眺望をご覧になっていただければわかりますが、ただ広いだけではなく、ランドスケープに穏やかなうねりがあるのです。垣根栽培のワインブドウや、乾燥してオリーブそっくりな葉色となったりんごの木に囲まれていると、まるで南仏やトスカーナに来たみたいだと言って感激されるお客様もいらっしゃいます。私自身がこの土地で働けることの喜びを思い出す瞬間でもあります。

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岩手県に生まれ、東京の調理師学校で学びました。フレンチレストランに就職しましたが、すぐに厨房に入れるわけではなく、まずはサービスの勉強からです。そして、ワインリストをつくってお客様に選んでいただく仕事をしているうちに、気づいたらワインにはまっていました。

ある年、カリフォルニアのワイナリーを尋ねました。当たり前ではありますが、土からブドウが育ち、ワインができるということを初めて目の当たりにし、衝撃を受けました。そして、ワインの造り手になりたいと思うようになり、レストランを退職して渡仏。語学学校に通いながらワイン造りの道筋を探りました。最終的には家族経営の小さなワイナリーが受け入れてくれ、そこで1年間、ブドウ作りと醸造を学びました。

1999年に帰国。日本のワイナリーで働こうと考え、長野県で最初に来たのが「サンクゼール」です。当時は観光農園のようなワイナリーが多かったのですが、「サンクゼール」はまるでフランスのそれのように景観が美しかったのを覚えています。まだ日本では少なかった垣根栽培を導入しており、これまでなじんだフランスのワイナリーの風景に近かったのも嬉しいことでした。さらにワインもおいしかったので、こちらでお世話になることに決めました。

それから11年間ワイナリーで働き、醸造責任者まで任せていただいた後、レストランやショップをマネージメントする部署に異動。醸造の現場を離れることは寂しくもありましたが、お客様に直接ワインを提供したり、ワイナリーツアーなどの事業にかかわるうちに、私たちが作ったワインがどう評価されているのか直接知ることができて、新たなやりがいを見出すことができました。

飯綱町はりんごの町です。シードルやアップルブランデーなど、地物のりんごを、私たちが得意とする分野でお客様に紹介していきたいと考えています。そして、世界というマーケットにも目を向けつつ、地元に根ざした企業としてローカルに貢献していけたら……。それが、飯綱町に来て20年目を迎える、企業人としての私の新たな目標です。

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そして、この土地でもう一つ大切にしたいことは、家族との時間です。自然を楽しむスローライフな暮らしの中で、子どもたちの成長を夫婦で見守ることも、かけがえのないものとなっています。

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