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ホーム読む移住者インタビュー遠藤美代子さん(自営業)
遠藤美代子さん(自営業)

周りの自然から力をいただく癒しの宿をオープンしました。

信州の景色が大好きで、20代のころから毎年訪れていました。2012年の夏、日常の中で知らず知らずのうちに無理がたたり心身のバランスを崩してしまった時も、療養のため選んだのは長野県でした。白樺湖のペンションに住み込みながら働いた1か月、だんだんと周りの自然から力をもらっていると感じるようになり、私は次第に元気を取り戻すことができました。それと同時に、自分の中にある気持ちがはっきりと輪郭を持ちはじめたんです。「信州の自然の中で、訪れる人をもてなし、くつろいでもらう。自分がやりたいのは、これなんじゃないか。」と。

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自分が持つセラピーの資格と宿泊を合わせて、忙しい日常を送るお客様に癒しの場を提供したい。そのコンセプトはすぐに固まったので、次は長野県内での物件探しです。まずは善光寺さんにご挨拶しようとお参りに行った帰り、道に迷って、気がつけば飯綱町の直売所「四季彩」にたどり着きました。その日はちょうど、ふじ祭りの日。店に入ると生産者の方が地物のりんごを試食させてくれたのですが、それが本当に美味しくて。食べた途端に体の中から力が湧いてきたのを覚えています。

それからも毎日のようにインターネットで物件を検索していて、ある日、りんごの美味しかった直売所からほど近い場所に建つ売りペンションを見つけました。すぐに物件を内覧し、即決しました。物件が気に入ったというよりも、周りの自然環境が、私がイメージしていた場所にぴったり重なったように感じられたんです。

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こうして「癒しの宿sinra」をオープンして5年。賑わうエリアではありませんが、何も目的を持たず、ただただゆっくりした時間を過ごしたいと、ご利用になるお客様が多いです。宿泊の翌朝、来たときよりもずいぶん柔らかい表情で「こんなにぐっすり眠れたのは久しぶり」と言っていただけると、本当にこの場所で開業してよかったと思います。ゆっくりしたステイを求めている人には必ず伝わると思うので、とくに宿の宣伝はしていません。お客様の半分はリピーター、もう半分は口コミや紹介でいらっしゃいます。

私はもともと、人見知りで引っ込み思案な性格でした。だけど、移住までの流れに関しては、「この道を突き進むことにより、後から何かしらの結果がついてくるだろう」と、なりふり構わずに勢いで動きました。勢いとはいっても、せっかく田舎に来たのですから、「ゆるさ」を忘れずに、臨機応変に、と心がけながら。

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この町の人は自然と共に生きているので、とてもたくましいです。都会から来た私たちは、知識を持っているかもしれませんが、この土地でその知識が役に立つかどうかはわかりません。だから、この町に来たら、周りの人に素直な気持ちで教わることを前提に、まっさらな気持ちで人と接してみてください。それを受け入れてくれるだけの器が、飯綱町にはありますから。

夫の良雄さんから一言

宿の改修工事をお願いした関係者のりんご農家さんに、「りんご畑が空くのだけど、育ててみないか?」と聞かれたご縁で、町内でりんご栽培をはじめました。今では宅配便で販売しているほか、直売所やJAにも出荷しています。

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