今回のインタビューは、当サイトの担当をしている飯綱町役場の篠原大也さんです。
篠原家は、飯綱町の東側、中野市にもほど近い赤塩地区にあり、白と木目の外壁がすっきりとモダンなお宅です。玄関へ続くナチュラルなグリーンで彩られたアプローチを進むと、レモン柄のアロハシャツを着た大也さんが爽やかに迎えてくれました。
篠原さんファミリーは2019年、長男の学人くんが小学校に上がるタイミングで、長野市若槻から飯綱町に移住しました。子どもたちと過ごす時間を大切にしたい、という思いから決めたそうです。
「小学校は程よい人数で先生の目も届くし、保育園は先生にゆとりが感じられ、とても雰囲気がいいです」と大也さん。
学人くんが通う三水小学校は、2018年に2つの小学校が統合、今年で設立4年目を迎えます。自宅からおよそ3.5kmと遠距離のため、登下校はスクールバスが送迎してくれます。子どもたちに食農教育を、との方針から、3年生になると年間を通して町の特産であるりんごの生育を学ぶ「りんご学習」があるほか、自分たちで育てた大豆を使った豆腐作りなど、ユニークな取り組みを実施しています。
長女の優夏ちゃんが通うさみずっ子保育園は、自然体験をとことん楽しむ「信州やまほいく」を実践する信州型自然保育の認定団体です。たっぷり自然の中へお散歩に連れ出してくれるので、子どもたちは、野山でおたまじゃくしやメダカ、ダンゴムシを捕まえたりして、伸び伸びと遊びまわっています。
篠原家は、妻の希望(のぞみ)さんの祖父母宅の隣に新築しました。毎朝、ひ孫の学人くんと優夏ちゃんはおじいちゃんに「行ってきます」と挨拶し、見送られながら出かけているそうです。なんともほほ笑ましいですね。祖父母のおふたりは、孫とひ孫に囲まれて暮らすこととなり、とても喜んでいるそうです。
長野市内へお勤めの希望さんですが、「通勤時間は車で片道30分ほどです。帰りにスーパーで買い物をして来られますし、遠さや不便さはまったく感じませんね」。 役場へ転職する前は、長野市内の広告代理店に勤務していた大也さんも「通勤環境は長野市内に住んでいたときと、さほど変わらないですよ」と話します。
「飯綱町は山奥の農村という印象がある人には、遠いイメージがあるかもしれませんね。通い慣れてみると不便さもないし、のどかでいいところです。あえて難点を挙げるなら、冬場は雪かきのために少し早起きをしないといけないところかな。大した雪の量ではないのですが、早起きが苦手で(笑)」(大也さん)
飯綱町へ移住してきた人の割合で一番多いのは、長野市内からの転入というのもうなずけます。長野市内へ出るのに交通アクセスがよく、標高が高いので夏は涼しく、冬の雪もそれほど多くないという立地環境の良さが人気のようです。
役場では、企画課人口増推進室で移住者の窓口となってさまざまな相談に応じている大也さん。ご自身は、移住して地域になじむためにどのようなことをしたのでしょうか。 「移住者でも、地域の人と普通にコミュニケーションがとれればうまくいくと思います。自分自身は、お祭りでは獅子を担当して舞わせてもらいました。消防団にも誘われて参加しています。体力的にはきつい面もありますが、地域の文化は尊重したいので、可能な範囲でがんばろうと思っています。祭りの稽古や消防の集まりは、地域に溶け込むありがたい機会でした。郷に入っては郷に従えですね」
希望さんも「町の球技大会でソフトバレーに参加して、地域の方と知り合うことができました。その年は優勝したんですよ」と話してくれました。
そんな希望さんに、このステキな家の住み心地をうかがうと「私の希望は全部叶えてもらいました」と大満足の様子です。白と茶が基調の内装に、センスよく選ばれた家具。2階へ続く階段の途中にはスキップフロアを設けてあり、キッチンのお母さんに見守られながらカウンターで宿題をやったり、電子ピアノを弾いたりできるコーナーになっています。その真下は、雑多になりがちな子どもたちのおもちゃがスッキリ収納できるキッズスペースに活用されていました。一番のこだわりは、キッチンに取り付けたIHの3口コンロなのだそう。
「休日には庭にプールを出して子どもたちと遊びます。市内に住んでいるときは隣近所に遠慮していましたが、ここでは周りを気にすることなくはしゃげます。実は趣味でトランペットを吹くのですが、トランペットの音も、迷惑になっていないはずです。たぶん(笑)」と笑顔で話してくれました。 飯綱町に移住してからは、芝生の手入れをしたり庭に手をかけたりするのが、のんびり一息つけるお気に入りの時間なのだそうです。