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堀田瑞穂さん「都会よりも飯綱町が私に合っています」

社会人2年目となる堀田瑞穂さん(24)は、東京での研修を経て2020年10月、凸版印刷株式会社ICT KŌBŌ IIZUNA®(アイシーティーコーボー)に配属されると同時に、飯綱町に移住しました。

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「飯綱町は、車で約20分で長野市へ行くことができて、1時間もあれば松本に買い物にも行かれます。ちょっと歩けばコンビニとはいかなくても、便利な地域です。そして空気がきれいで気持ちがいい。都会よりも私に合っているなと感じます」

システムやソフトウェアなどの開発業務を地方へ移転することを「ニアショア開発」というそうです。2020年4月から飯綱町赤塩のいいづなコネクトEAST内にオフィスを構える「ICT KŌBŌ IIZUNA®」では、開発拠点拡充の第1弾として、エンジニアの方たちがニアショア開発を行なっています。

「地域課題の解決にも取り組んでいます。まちの皆さんの困りごとを、デジタルで手助けできないかという試みです。エンジニアも、企画の段階から関わります」と堀田さん。現在は、人手が足りないりんご農家のサポートとなる最新技術の開発に取り組んでおり、具体的な課題の掘り起こしのため、何度もりんご畑に通っているそうです。「関わる方々が皆さんいい人ばかりで、ありがたいです」

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▲りんごの苗木を植えるお手伝い

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▲乗用草刈り機も運転しました

堀田さんは北海道函館市出身。子どもの頃は、下北半島の青森県むつ市で育ちました。 「通学途中、横断歩道の向こう側に鹿がいて渡れないことがありました。グラウンドにイノシシがいることも。映画館までは車で3時間かかります」

なるほど、徒歩数分の範囲にコンビニがなくても、さして不便を感じない背景が見えてきました。新入社員研修の数か月間は東京暮らしを経験しましたが、満員電車や人混みは苦手だったそうです。北海道、青森で生まれ育ち、東京暮らしを経て、飯綱町へ。都会に憧れる若者も多いですが、堀田さんが重視したのは、自分らしい生き方ができるかどうかでした。

「母も、東京よりあなたに合っているから、行ってみたら? と背中を押してくれました」

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▲オフィスにホッと一息つける空間があるなんて贅沢ですね

元小学校だった建物をリフォームしたオフィスは、木のぬくもりがあふれるカフェのような素敵な空間にしつらえられています。ペレットストーブが置かれた休憩スペースまであり、ほかの事業所の人たちからも、うらやましがられるというのもわかります。

オフィス奥の大きな画面に映っていたのは、「ICT KŌBŌ® URUMA」。飯綱町に次いで設置された、沖縄の次世代DX開発拠点なのだそうです。DX(デジタルトランスフォーメーション)やイノベーションという言葉を聞いたあとでしたが、目の前の画面が沖縄オフィスと言われると、なんだか不思議な感覚がします。今後も、全国に同様の拠点を増設していくそうです。飯綱町に最先端があるなんて驚きですね。

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▲リアルタイムで映し出されている沖縄オフィス

堀田さんの住まいは、会社が借り上げてくれている町内のアパート。「選択肢がなかったので心配でしたが、来てみると全てリフォームされている部屋で、キッチンや洗面台、お風呂も新品だったので安心しました」

特に女性は、賃貸や中古物件の水回りは気になりますよね。

間取りは広めの1LDKのため、LDKだけでじゅうぶん過ごせてしまいます。空いた一部屋は、お母さんや友人が泊まりに来たときの客間として使っているそうです。

移住にあたってもう一つ心配だったのは、車の運転に不慣れなこと。函館で過ごした大学時代の移動手段は自転車で、ほとんど車の運転はしなかったのだとか。でも、運転が不安と言ってしまったら飯綱に配属してもらえないのではと、「『運転免許なら持っています』と言って、ペーパードライバーであることは隠し通しました(笑)」。田舎での車の重要性をしっかり認識しているところはさすがです。

自宅から職場までは、車で10分ほどの距離。およそ1年が経ち、「運転にはもう慣れました。週末は長野市内まで買い出しに出かけています」とたくましい堀田さん。野菜類を買うときは、農産物直売所「いいづなマルシェむーちゃん」を利用しているそうです。「ご近所の農家さんにお野菜をいただくこともあります。地元の美味しい野菜が手に入るのはうれしいですね」。

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▲好きな場所で仕事ができるフリーアドレス

住みやすいとはいえ、一人暮らしは寂しくはないでしょうか。

「先日、東京出張で同期の友人と話したのですが、東京勤務だと仕事はオンラインで出社もほとんどなく、一緒に働いていても、どういう人なのか全く分からないと言っていました。私は毎日出社して、職場の先輩方の人となりやスキルも分かります。現在、一緒に働いている9人の先輩は皆さん男性ですが、とても優しい方ばかり。会話もしやすい職場なので、恵まれているなと思っています」

IT女子である堀田さんは、自宅でも、デバイスやアプリを自在に使いこなして函館のご両親や友人と頻繁に会話をしていると言います。 「コロナの影響でコミュニケーションアプリを使うようになり、思った以上に寂しくはありませんでした」(堀田さん) 函館へ帰省する際の移動は、なんと新幹線! 北陸新幹線に長野から乗り、大宮で乗り換えて新函館北斗駅まで5時間半ほど。飛行機を利用した場合と比較しても、乗り換えやチェックインの時間を考えると大差はないのだそう。どこに居てもどこに住んでも、遠く離れた相手とつながることができる時代なんですね。気軽に拠点を変えられる世の中になるのかもしれません。

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飯綱町の好きなところを伺うと、「青森県で育ちましたが、飯綱町のりんごは本当に美味しくて、ほかで食べるのと全然違います」。ご近所さんが差し入れてくださった、さば缶と玉子が入った根曲がり竹汁が美味しく、教わって自分でも作ったこと、夏は立派な川中島白桃を実家に送って、とても喜ばれたこともお話してくれました。 「車の運転も、慣れてしまえば一人の空間なのでリラックスできる時間になっています。運転が不安で移住に二の足を踏んでいる人もいるようですが、きれいな景色の中をドライブできるのでおすすめです」

心配していた車の運転にも慣れ、毎日の仕事も暮らしも充実している様子。最先端の仕事をしながら、のどかな暮らしを楽しむ。これからの時代の働き方かもしれませんね。

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