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山崎まほさん「子育てしながら仕事に集中できる施設のおかげで、とても助かっています」

 

01.JPG元気いっぱいな2人の男の子を遊ばせながらインタビューに応えてくれたのは、2021年に飯綱町へ移住した山崎まほさん(37)。フリーランスのグラフィックデザイナーとして活躍しています。

山崎さん夫妻は、まほさんが長野県飯田市出身で、ご主人は秋田県出身。長野市内のアパート暮らしでしたが、子どもを授かったことを機に、戸建て住宅に住みかえたいと考えていたそうです。当時はご主人が信濃町で飲食店を経営しており、お店の常連さんだった工務店の方に相談したところ、現在の住まいを紹介してもらったと言います。物件は比較的新しい2階建ての賃貸住宅で、特にリフォームなどの必要もなく入居できました。町の補助としては、「飯綱町移住定住応援家賃助成金」(若者世帯、子育て世帯の賃貸住宅の家賃に対し最大3年間で合計48万円(最大1年目2万円/月、2,3年目1万円/月)を助成)という制度を利用しているそうです。

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引っ越しは、里帰り出産をしている間にご主人が作業してくれ、まほさんは無事に出産を終えたのち、長男の梛(なぎ)くん(3)が4か月になるのを待って、飯綱町にやってきました。

「出産もあって、何も(町の情報を)調べずに引っ越して来たんですけど、飯綱に来てすごくよかったです」とまほさん。自然が豊かでありながら市街地に出やすいことに加え、「子育て支援の補助金(誕生祝金:出生児ひとりにつき20万円)や子育て支援施設が充実していることが、想像以上によかった」と実感しているそうです。

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また、グラフィックデザイナーであるまほさんがよく利用しているのが、飯綱町子育て世代支援施設「みつどんのお家」です。仕事を抱えながら子育てをしている女性にとって、子どもを預けながら仕事に集中できる場所があるのは、「本当にありがたい施設で、町外の友人にもおすすめしていました」。

1Fは子育て支援センターで、木のおもちゃがたくさんある未就園児の親子が遊べる施設です。2Fはワークスペース(iワーク)になっていて、個ブースやカウンターなどさまざまなタイプのワークスペースがあります。登録者は1回100円で託児をお願いすることができ、お子さんは保育士と1階で遊んだり、施設の近所をお散歩したりして過ごします。親子がお互いに近くにいることが分かっているので安心感があり、働く子育て世代から絶大な人気を誇っています。

実は、みつどんのお家のロゴマークは、まほさんがデザインしたもの。「子どもとお母さんがワクワクして、みつどんのお家に行きたくなるような、楽しい感じを積み木っぽいデザインで表現しました」(まほさん)

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そして、まほさんには、バスケットボールが大好きなスポーツウーマンという、もう一つの顔があります。「学生時代の得意科目は体育と美術だったんですよ」といたずらっぽくはにかみますが、中学生からバスケットボールを始め、「将来は体育の先生を目指していた」というだけあって、本気でバスケに打ち込んでいたそうです。しかし、高校3年生のときにケガをしてしまい体育の道を断念。それならばと美術系の大学に進学し、卒業後は、グラフィックデザイナーを目指して東京のデザイン事務所で修業していました。

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しかし、大好きなバスケに関わりたいという情熱が抑えきれなかったまほさんは、長野県にプロバスケチームを立ち上げるために活動しているボランティア団体があることを知ると、当時は東京在住でしたが居ても立ってもいられず活動に参加します。その後、長野市に移住してからもアルバイトをしながら続けるほど夢中だったと言います。ちなみにそのバスケチームとは、2011年に発足した「信州ブレイブウォリアーズ」のことです。山を背景にバスケットボールがそびえるチームロゴのデザインは、なんと、まほさん。ロゴ募集に応募したところ見事に採用され、その後はチーム広報としてウォリアーズの運営会社で働くまでに。好きなことはどちらも諦めることなく、極める姿勢に意志を感じますね。

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ウォリアーズを退職後は長野市内のデザイン会社に勤務し、31歳のときにフリーのデザイナーとして独立します。屋号につけた名前は「ORB DESIGN(オーブデザイン)」。オーブ(ORB)とは球体の意味で「何も手を加えられていない球体に何か付け加えたり、削ったり、または粘土のように形を変えデザインしていくことを意味しています。また、円、環、取り巻く、囲むなどの意味もあり、人とのつながりを大切にしていくこと、そうして自分のスキルや人の“わ”を大きくしていきたいという意味を込めました」とまほさん。もちろん球体はバスケットのボールも表しているそうで、まほさんの徹底したバスケ愛が伝わりますね。

「東京にいた頃は、バスケをしているグループをSNSで見つけては、毎日のようにどこかのチームに参加していました。長野に来てからは、自分でALONZAというチームを作って大会に出たりもしていました。次男の手がもう少し離れたら、またバスケをやりたいなと思っています」

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ご主人との出会いは、ご主人が経営していた飲食店に仕事の打ち合わせで訪れたことがきっかけだったそうです。結婚してからは、まほさんも一緒にお店を手伝っていました。しかし、次男の織(オリ)くん(1)が生まれるタイミングで、「夜が忙しい飲食の仕事では、子どもと過ごせる時間がなかなかもてない」と、ご主人が昼間の仕事(造園業)に転職。いつも、やんちゃな男の子二人の面倒をよく見てくれるそうです。

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インタビューをしていると、ミニカーやトラックのおもちゃをたくさん並べて遊んでいた梛くんが「こうえんにいきたいでしゅ」と寄ってきました。どこの公園に行きたいの? と聞くと「おぶせ」というお返事。小布施ハイウェイオアシスに隣接する小布施総合公園は、近隣では大きな公園で大型のアスレチックがある遊具広場があります。飯綱町から小布施町までは車で20分足らずの距離なので、よく遊びに行くのだとか。梛くんは、この公園がお気に入りなのだそう。

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まだ小さいのでスキー場デビューはしていませんが、庭に置いてある黄色いそりを持って近所の神社(天白社)に行き、そり遊びをするのも大好きな梛くん。天白社は春になると樹齢150年以上のシダレザクラが美しく咲き誇る神社で、桜の名所にもなっています。「昨年までは少し怖がっていましたが、今年はそり遊びが楽しそうです」(まほさん)。

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帰り際、梛くんは家から飛び出して、私たちを見送ってくれました。元気いっぱいの梛くんと、まだ小さいながらドンと構えた織くん。漢字一文字の印象的な名前には、どんな思いが込められているのでしょうか。

「梛はナギの木からです。葉が切れにくいことから縁が切れない、縁結びなどの意味があるんです」。そして織くんの名前は、「糸が織りなす織物のように人との出会いに恵まれてほしいとの思いからです。私たち夫婦も人との出会いに助けられてきたので」と、まほさん。梛くんにはナギの木を植えたので、織くんには文字ってオリーブの木を植えたと笑います。飯綱育ちの兄弟として、お母さんのように好きなことをとことん追求しながら、伸び伸びと健やかに成長していってくれることでしょう。

Instagram(@orbdesign20)

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