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清隼輔さん・千晶さん「大工になりたくて選んだ飯綱町で夫婦のしあわせを築いていく」

清 隼輔(きよし・しゅんすけ)さん(27)と千晶さん(26)は、結婚して1年半のご夫婦です。6年前に大工として飯綱町の企業に就職した隼輔さんと、結婚を機に伊那市から移住してきた千晶さん。この移住は簡単ではなかったそうで、二人の間で多少の攻防もあったとか。

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隼輔さんは愛知県名古屋市出身。子どものころから工作が得意で、「高校3年生の学園祭の模擬店では小屋づくりの主任になって作業しました」と、小屋まで作ってしまうほど木工が好きだったそうです。信州大学に進学し、「卒業後は安定した就職をするんだろうなと自分も親も思っていた」のがぐぐぐっと人生の舵を切り、卒業を待たずに大工の道へ進むことを決めてしまいます。

「学生のときに、現在のいいづなコネクトWESTのすぐ横で開催されたツリーハウスを造るプロジェクトに参加したんです。みんな素人で大変でしたけど、自分たちが手を動かして作るのはとても楽しかったし、そのときに大工になりたいという気持ちを確かなものにしたんです」

大工になると決めて飛び込んだのは、町内の工務店、株式会社ツチクラ住建です。入社後は先輩の大工さんに付いて学び、最近では任される仕事も増えてきました。「自分が作ったものが形になって残っていく達成感にやりがいを感じます。大工になりたくて飯綱町に来たので、移住も含めて自分の選択に後悔はありません」ときっぱり。

 

千晶さんは北海道出身で、隼輔さんとは学部が違いますが信州大学の同期です。「先に新潟に進学した姉が楽しそうで、本州っていいなと思って長野県に来ました」。

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そんな、職人気質で守ってあげたいタイプの隼輔さんと、甘え上手な妹キャラの千晶さん。工学部と農学物で学部は違いましたが、信州大学は1年生は全学部が松本キャンパスで学ぶため、ふたりはそこで運命の出会いを果たします。「キャンパスから歩いて7分の場所にある空き家をリノベーションして、シェア・コミニティスペースを作る活動に参加していたんですけど、彼女もそのメンバーのひとりでした」(隼輔さん)。

「ロッピキ」というその活動は、今でも後輩によって引き継がれているそうです。ロッピキの活動がお二人に与えた影響は大きく、隼輔さんはそこでリノベーションや大工仕事の楽しさを再認識し、千晶さんは地域活動の楽しさに目覚めたそうです。2年生になって、隼輔さんは工学部のある長野市へ、千晶さんは農学部のある伊那市へと離れ離れになりますが、その後も、事あるごとにロッピキに顔を出していたと言います。

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千晶さんは伊那市に移ると、商店街の空き店舗をリノベーションし、「カリカリブックス(仮)」をオープンしました。「全てを決めないで、仮の柔軟な状態で何でもやってみようというコンセプトで始めた古本屋さん」で、仮の仮の仮であることを名前にしています。「この活動がきっかけで、商店街の人たちと知り合って、つながって、助けてもらって、地域が大好きになりましたし、大学卒業後も地域から離れがたくて、伊那市にある薪ストーブを販売する会社に就職したんです」

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隼輔さんは、出会って数か月で「かわいらしい人だな」と千晶さんに思いを寄せていましたが、お付き合いに至るのは卒業して働き始めてから。月に何度も千晶さんの住む伊那市まで、高速で往復4時間の道のりを通ったといいます。

結婚するにあたり、地域に根を張りつつあった彼女を、約150㎞離れた飯綱町へ連れてこなければならなかった隼輔さん。一緒に来てほしい隼輔さんと伊那が大好きな千晶さんの間では、移住をめぐる攻防戦がおこなわれたのだとか。「もめたけれど、よく話し合ったよね。結婚前は自分が伊那まで会いに行くけれど、結婚したら飯綱に来てね、とか」

隼輔さんの説得に押され、伊那でお世話になった人たちに後ろ髪を引かれながらも飯綱にやってきた千晶さん。現在は、薪ストーブの会社の長野支社で広報の仕事を継続しつつ、いいづなコネクトEASTのコワーキングスペース「ツクリバ」で働いています。「いいづなコネクトは人が集まる場所なので、お会いしたことのなかった方とも知り合えて心強いです。先日は知り合って仲良くなった友人たちと、いいづなリゾートスキー場に遊びに行きました」

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お二人が暮らすのは、黒川地区にたたずむ築100年以上になる古民家。間取りは和洋合わせて5部屋もあり、結婚前はアパートに一人暮らしだった隼輔さんには、だいぶ広い住まいです。「大家さんを紹介されて住むことになったんですが、当時は仕事のことで頭がいっぱいで、正直、自分の家にこだわりはありませんでした」。千晶さんも古民家暮らしには肯定的で、工夫しながら暮らしています。将来はこの家にこだわりの薪ストーブを設置する予定なのだそうです。

移住当初は知り合いもおらず「伊那が懐かしい。伊那に帰りたい」と少々センチメンタルになっていた千晶さんですが、仕事をきっかけに友人ができ、飯綱町でも着々とつながりを広げていると千晶さん。「飯綱町に来てよかったと思っています」といいづなライフを楽しんでいる様子で、3月には、本好きな友人と一緒に「いいづな一箱古本市」を開催しました。

何ごとも夫婦で話し合い、一つひとつ納得しながら歩みを進めるお二人ですから、これからの飯綱暮らしも、きっと良し!ですね。

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