欧米では「1日1個のりんごは医者を遠ざける」という諺があり、日本でも病院のお見舞いの定番として選ばれたり、りんごは身体に良い果物として知られています。他の果物と比べても、りんごはとくにカリウム、カルシウム、鉄、食物繊維、ビタミンC、有機酸が多く含まれ、現代人の健康増進にはもってこいの果物といえるでしょう。
高血圧とリンゴ
塩分のとりすぎは体内のナトリウムを増やし、高血圧や心臓病の原因となります。通常、じん臓がナトリウムの排泄をすすめ血圧を下げるように働きます。これを助けるのがリンゴに含まれているカリウムで、リンゴが高血圧の予防にもつながるというわけです。
コレステロールとリンゴ
肉、卵、バターなどの動物性脂肪のとり過ぎは、血液中のコレステロールを増やし、動脈硬化の原因となります。リンゴに含まれているペクチンは、増えすぎたコレステロールを吸収し、排泄を促進するので、リンゴがコレステロールを下げる効果があるといわれています。
便秘とリンゴ
お腹をこわした子供にすりおろしたリンゴが効くことは知られていますが、リンゴは消化不良や下痢だけでなく、便秘にも効果があります。生のリンゴには食物繊維のペクチン、セルロールがたくさん含まれています。これらは、腸の消化、吸収をうながす整腸作用があり、便秘を予防してくれます。
疲労回復とリンゴ
特有の芳香、さわやかな酸味と味をもつリンゴは、疲労の回復にも効果的です。疲労の原因には乳酸という物質が大きく関わっています。リンゴにはリンゴ酸、クエン酸などの有機酸が多く含まれており、この疲労をもたらす乳酸を減らすとともに、身体の新陳代謝を活発にし、疲れを取り除いてくれます。
脳卒中とリンゴ
リンゴに含まれているカリウムは血圧の上昇を抑える作用があります。食生活の中にリンゴを加えることで、高血圧にともなう脳卒中の予防にもなるということです。カリウムは肉、野菜にも含まれていますが、塩分を伴わないリンゴがカリウム不足を補うのに適しているでしょう。
美肌とリンゴ
美しい肌を保つためには、まず健康であることが不可欠です。健康の条件として、栄養素やいらなくなった老廃物を運び出す血液が弱アルカリ性に保たれている必要があります、肉や魚、穀類などは酸性食品なので、アルカリ性食品のリンゴなどを食べ、バランスをとることが健康を保ち、美しい肌にも効果的です。
ガンとリンゴ
食物繊維の不足が大腸ガンの発生に影響していると考えられています、リンゴには皮と実の間にペクチンと呼ばれる繊維成分が多く含まれています。このペクチンには便秘を解消する作用もあり、発ガン物質などをいち早く体外に排出し、大腸ガンの発生率を少なくすると期待されています。
糖尿病とリンゴ
糖尿病の予防にもリンゴは効果があるようです。糖尿病の原因はインシュリン不足などですが、リンゴに含まれているカリウムが欠乏すると、このインシュリンの働きが悪くなるといわれます。また、リンゴのペクチンは糖質を吸収するので、糖尿病患者の血糖値を下げる働きがあるといわれます。
子供の発育とリンゴ
リンゴに含まれているカリウムは、子供の成長にも欠かせないミネラルです、筋肉を作るときに必要なチッソの働きを支えたり、筋肉組織の運動に関わり、筋肉が弱くならないようにしています。リンゴの丸かじりは顎も鍛えるので、リンゴは子供たちの発育にもってこいの果物です。
肥満とリンゴ
リンゴは冷やすと甘みが強くなる成分をもっています。甘いものは肥ると思われがちですが、肥満予防に役立てることもできます。食前にリンゴ半分を食べてみて下さい。低カロリーのわりに、量はたっぷりなので、満腹感をもたらし、主食のごはんやパンの量を減らし、糖質のとりすぎを抑えてくれます。
虫歯とリンゴ
シャキッとした歯ざわりのリンゴは、虫歯予防にも役立ちます。これはリンゴの果肉が歯についた食べかすを落とし、きれいにする作用があるからです。現に欧米ではリンゴを「自然の歯ブラシ」と呼んでいます。また、歯ぐきの健康にもいいので、老若男女を問わず、食後のデザートに最適でしょう。
肩こり、腰痛とリンゴ
疲労をもたらす乳酸はタンパク質と結びつきやすく、柔軟な筋肉にたまると、筋肉を硬くし、肩こり、腰痛を引き起こします。リンゴにはこの乳酸を減らすリンゴ酸やクエン酸などがたっぷり含まれているので、リンゴを毎日食べれば、肩こり、腰痛の防止にも役立つということです。