りんごは寿命の長い作物です。苗木を植えてから実がなり始めるまでに四~五年かかりますが、大事に育てると、その後数十年間、実をならせ続けることができます。りんご作りはほとんどが手作業です、一粒ひとつぶ、生産者が手塩にかけて育てています。りんごの木をいつくしみ、霜や雹、台風、病害虫から実を守り、実りの秋を迎えます。
冬
皮削り
幹の粗皮を削って、その下にひそむダニなどの害虫やその卵を退治します。
剪定
木の形を整え、どの枝にも日光を当てておいしいりんごを作るために、余分な枝を切り落とします。熟練した技術を必要とする、雪の上での重要な作業です。
春
花摘み
木の栄養が、必要な花にだけ集まるように、余分な花は整理します。
受粉
りんごが実をつけるためには、別の品種の花粉を受粉する必要があり、ミツバチやマメコバチがその役割を担っています。人手による人工受粉も行なわれます。
消毒
りんごは病害虫に冒されやすく、その防除のために低毒性の農薬を散布します。
夏
摘果
多くならせすぎると、実は小さくなり、木が弱って翌年は実をつけなくなります、そのため、花摘みに続き、葉30~50枚につき果実1個になるように余分な実を摘んで、実の成長を速めます。
袋かけ
病害虫の侵入を防ぎ、果実の色と見ばえをよくするために行ないます。袋をかけないものは多少見ばえは落ちますが、日光がよく当たって味がよくなり、一般に「サンりんご」と呼ばれています。飯綱町で栽培されるりんごは、ほとんどがこのサンりんごです。
秋
施肥
翌年の成長をよくするために肥料を与えます。
収穫
収穫の時期は品種によって異なり、8月から11月まで続きます。台風の襲来にも気を使います。
貯蔵
収穫後できるだけ早く冷蔵庫に入れて、果実を新鮮なまま保存します。野積みする場合は、日光の当たらない建物の北側や、木の下の風通しの良い冷涼な場所に積み、雨よけをします。