農業振興地域制度
優良農地の確保のため、農地法による農地転用許可制度と併せ、農業振興地域の整備に関する法律に基づく農業振興地域制度が設けられています。
具体的には、国の基本指針に基づき都道府県知事が農業振興地域整備基本方針を策定するとともに、各市町村の「農業振興地域」を指定し、これに基づき市町村が『農業振興地域整備計画』を策定することとしています。
「農業振興地域」
農業振興地域の整備に関する法律に基づき、総合的に農業の振興を図ることが相当な地域として都道府県知事が関係市町村と協議して指定するものです。
農業振興地域整備計画
市町村の農業振興地域整備計画においては、農業生産基盤の整備や農業近代化施設の整備等の計画のほか、集団的農地や農業生産基盤整備事業の対象地等の優良農地について「農用地区域」を定め、当該区域内においては原則として農地転用を禁止し、農業振興の基盤となるべき農用地等の確保を図っています。
「農用地区域」
農用地区域は、市町村の農業振興地域整備計画の中の『農用地利用計画』において定める、今後概ね10年以上にわたり農業上の利用を確保すべき土地(優良農地など)の区域です。
農用地利用計画の変更(農振除外)
農業振興地域整備計画は、自然的・経済的・社会的な諸条件を考慮し、かつ、地域農業者、農業協同組合、土地改良区など関係団体との調整を経て、長期的観点から農業を振興するための総合的基本計画として定められたものです。
このことからその変更には、十分慎重を期す必要があり、計画策定後に生ずる情勢の変化等によってやむを得ず変更を行う場合には、計画策定の趣旨に反することのないようにしなければなりません。
特に農用地区域内の土地を農用地以外の用途にあてるため、農用地利用計画を変更(農振除外)するときには、次の「農振除外5要件」をすべて満たすときにのみ、行うことができるものとされています。
「農振除外5要件」
- 農用地区域以外に代替すべき土地がないこと。
- 農用地以外の土地とすることが必要かつ適当な土地か?
- 農用地区域以外の地域において代替する土地がないか?
- 農業上の効率的かつ総合的な利用に支障を及ぼすおそれがないこと。
- 周辺農用地の営農環境への支障が軽微か?
- 農地の集団性を損なうものではないか?
- 土地利用上の混在が生じないか?
- 土地改良施設等の有する機能に支障を及ぼすおそれがないこと。
- 農業用用排水施設の分断や排水の阻害などのおそれがないか?
- 農業生産基盤整備事業完了後8年を経過していること。
- 事業の実施中または事業実施完了公告後8年未満ではないか?
- 担い手による農用地利用集積に支障を及ぼすおそれがないこと。
(注釈)農用地利用計画の変更(農振除外)・軽微変更手続きは下記リンクよりご覧ください。